医療分野でのAI型チャット導入事例!AIチャットが医療を変える理由とは?

近年、医療分野でAI搭載型チャットボットの導入が進んでいます。
一見、チャットボットとはあまり関連の無いように見える医療分野ですが、非常に人材確保が難しいという状況にあるためチャットボットを利用して省人化や業務の効率化が図られてきています。
今回は医療業界においてチャットボットがどのように活用されているか、解説します。
今ある課題と解決策
医療機関が抱える課題とはどのようなものでしょうか?代表的なものは以下の2点といえるでしょう。
患者の待ち時間が長い
医療業務の中で長い待ち時間が患者にとっても大きな負担となっていることが課題の1つです。
このような受付業務の問題をチャットボット導入により効率化することができます。
例えば、これまで人が行っていた初診/再診の確認や保険証の確認までの受付業務全てを対話型AIチャットボットに代用すること等が挙げられます。
AIチャットボットは音声対話により行動を促すので、機械操作が不慣れな高齢者でも利用しやすいでしょう。
待ち時間が長い場合は、患者さんに予測時間を伝えて順番が近くなったら携帯に通知することもできます。
これによって患者さんは、待ち時間を効率的に過ごすことができます。
また病院スタッフにとっても、受付業務の負担が軽くなることでそれ以外のより専門的な業務に集中することができます。
症状や病状の診断が難しい
医療現場では患者の主観的な情報や客観的数値から診断を下しますが、多忙であることや人的なアプローチであるが故にヒューマンエラーを起こす可能性があります。
チャットボットを用いることで、電話やメッセンジャーなどを使い、症状についてヒアリングする簡易診断ツールとして活用できます。
患者さんが症状について質問に答えていくことで、AIチャットボットは考えられる病気などを学習データから探っていきます。
病院にかかる必要がある場合を除き、症状が気になる程度であればその症状がどのような可能性があるかを知ることができ、医療従事者は診察の時間の短縮に繋がり患者にとって心理的な安心感につながるかもしれません。
診断が難しい場合はAIチャットボットが医師への受診を勧めたり、予め連携した関係医療機関にそのデータを通知することも可能です。
内科だけでなく、歯科や整形外科などあらゆる簡易診断や通院前の診断の手段として活用いただけます。
実際の活用事例3選
1. ObotAIヘルスケア
ObotAIは2020年6月2日からAIを活用して健康意識の向上、病気予防、メンタルヘルスの改善などを促す新サービス「ObotAIヘルスケア」の提供を開始しています。
組合健保や協会けんぽ、人間ドック、クリニック、健診機関、企業などを対象に提供しています。具体的にはウェルネス・メンタルケア分野に特化したAIヘルスチェックツールです。
例えばスマホからいくつかの設問に答えるだけで、現在の健康状態のみならず将来の疾患リスクまでを可視化し、個人の健康に関する意識を高めていくことで特定健診や人間ドック特定保健指導の受診を促す等のサービス内容となっています。
出典元:Obot AI
2. アストラゼネカ社 アズトリート
近年のジェネリック医薬品へのシフトに伴い、主に薬剤師の役に立つチャットボットになります。
薬に関する情報を製薬メーカーのデータベースから直接ピックアップできたり、必要に応じて資料請求やMRへの連絡ができたりします。
また患者向けであるアズポートでは喘息、COPDや糖尿病で使用されるデバイス製品の疑問にチャットボットで回答しているようです。
出典元:アズトリート
3. AGREE 社 LEBER
LEBERの特徴は、日常生活で自分や家族に体調不良など何らかの異変が生じたときに、24時間・365日スマホを使って手軽に医師へ相談ができることです。
チャット形式で相談可能なうえ、画像も送信することができます。
よって、患者と医療サービス側とで非常に密度の高いコミュニケーションをとることができます。
さらに、相談内容に応じてLEBERは市販薬を紹介すると共に、最寄りのドラッグストアの場所まで表示してくれる機能があります。
患者は症状を治すためにの薬と、それを販売しているドラッグストアを知ることで、いち早く病状の改善に向けた行動をすることができます。
また診察が必要と判断した場合は、その時点で診察を行っている医療機関を表示します。
出典元:LEBER
まとめ
今回は医療現場においての課題と実際のチャットボット活用例について、ご紹介しました。
医療業界は、人の命に関わる社会性、公共性の高い業界です。
その為、AIチャットボットを医療分野に導入するのであれば、高度なセキュリティと使いやすいUIを持っている製品がおすすめと言えるでしょう。
また医療業界は専門用語も多く、丁寧な個別対応が必要なケースが多いです。
そのような場合、自動対応だけでは厳しい場面も多くあります。
よって、必要に応じてチャットボットから有人対応に切り替えられるサポートが必要であると考えます。
昨今はコロナ渦により鬱傾向を訴える人が多くみられる為、特にメンタルヘルスに特化したチャットボットがより多くのユーザーに活用されることで自殺率の低下につながるのではないでしょうか。
チャットボットは、上手く活用することで医療の現場においても大きな役割を果たしてくれます。
長い待ち時間や医療従事者の負担といった医療業界の特有の課題を解決できるツールとして今後もチャットボットが注目されていくでしょう。